1億円という資産を苦労してやっとの思いで蓄えたという方もいらっしゃれば、
急に親からの遺産相続で手にしたという方もいらっしゃると思います。
以前1億円でリタイアは可能なのか?という記事でも申し上げた通り、
たしかに1億円というのは日本の40世帯に1世帯が蓄えることができる大金となりますが、
1億円だけでは安定した老後生活を送ることができないというのも現実となっています。
本日は一般的な投資先から1億円を保有しているからこそ選択肢に入る投資先まで、
富裕層の方に向けて有効な投資先を比較分析してお伝えしていきたいと思います。
一般的な投資信託も使い方によっては有効-インデックス投資の有効性-
投資信託というと庶民の投資先、最もとっかかりやすい投資先であり、
1億円もの資産があれば投資信託よりも更に特別感のある高度な投資を行いたいと考える方も多いのではないでしょうか。
確かに日本で一般的に販売されている投資信託は投資家のためにはならないレバレッジ型や、
毎月分配型の投資信託が多く販売されております。
また販売されている形態がわるいだけでなく、日本で販売されている投資信託は米国に比べて、
低いリターンとなっていることは金融庁のデータからも明らかとなっております。
で全ての投資信託がダメかというと、投資信託の中にも魅力的なものは存在しています。
日本で販売されている投資信託は市場平均つまりインデックスに対してプラスのリターンを狙うアクティブ投資信託ですが、
長期的にいてインデックス連動つまりパッシブ型の投資信託のリターンを下回り続けています。
👉 投資信託はアクティブ型とパッシブ型のどちらが儲けることができるのか??
ウォーレン・バフェットも妻への遺言で彼が死んだ場合は資産の90%を米国のS&P500指数に連動する、
ETFに投資するように伝えています。
難しいことなど考えずに経済成長に伴った時価総額の成長に身をまかせるべきとバフェットも考えているのです。
バフェットはバンガード社のETFへの投資をすすめていますが、日本でも楽天証券がバンガードの代表的な、
米国全体に投資を行うことができるVTIに投資を行うことができる楽天・全米株式インデックス・ファンドを販売しています。
米国株は年平均で7%程度で200年以上にわたって安定して成長し続けており、
多少の下落に怯むことなくずっとBuy and Hold戦略で保有したら長期的には大きな資産を築くことができるでしょう。
1億円の一定のポーションを歴史と実績のある米国株式にベットするのが投資信託の中では、
最良の選択肢といえるでしょう。
国内不動産や金は投資先として魅力的なのか?
それでは国内不動産や金は投資先としてどうでしょうか。
国内不動産と金は全く違うものなのに何故同じ分類なのかと疑問に思われた方おいらっしゃると思いますが、
この二つはインフレヘッジという観点で有効であるという点でまとめています。
国内不動産の問題点
1億円あれば当然不動産を買ってみようかなという考えを持たれる方が多いと思います。
地方であれば余裕で一戸建てを買うことができますし、田舎であれば2件〜3件購入することも可能となります。
東京都内であればワンルームマンション3戸、郊外であれば一軒家を買えますね。
日本の不動産は人口減少と上昇しない賃金もあり、不動産価格の上昇は見込みにくく、
利回りは経費後だと中古で4%〜5%、新築だと2%〜3%という低い水準となっています、。
先ほどお伝えした米国株式市場連動のETFに投資する方が高いリターンを獲得することができます。
新築物件に関しては米国債券利回りと同程度ですね。
空室リスクや管理面を考えると全く割に合わない投資先といえます。
利回りを求めるのであれば海外不動産に目を向ける必要があるでしょう。
👉 国内不動産と海外不動産どちらが、おすすめできるのか~オルタナティブ投資の観点~
金投資の問題点
金は不動産よりも更に低い利回りとなっています。
以下米国の各資産の長期的なリターンなのですが、株式が堅調に推移する一方、
金はたったの実質年率0.5%のリターンとなっています。
インフレ率が1.4%なのいで実質1.9%なのですが、名目国債・債券すら大幅に下回っています。
金は保有しているだけでは配当金を生み出さず、いつまでたっても金は金のままであるため、
本質的な価値は殆ど変わらず、紙幣に対して相対的に価値が変動するのみに留まっているのです。
国内不動産と金投資はインフレヘッジとしては有効
国内不動産と金投資は資産を増やすための投資先としては魅力は薄いのですが、
日本の国家財政破綻時においては不動産も金も現物資産であるため、資産防衛に顕著な役割を果たします。
以下はプリンストン大学の清滝教授の直近の日本の財政破綻に対するインタビューです。
要旨をまとめると
- 日本の財政は危ないと考える
- 財政破綻の時のプランを日本国は国家として作った方が良い
- 財政危機の出口は支出カット・歳入増加・インフレによる国債減価がある(=日本円下落)
- いつくるかは予測不能だが、国債が日本国内で賄えなくなってくると危ない
- 財政破綻は急にやってくる
となっておりますが、財政破綻はいつ起こるかわからないが、国債が日本国内で賄えなくなってくると危ない。
という点ですが、現在国債は1400兆円ありますが家計資産が1800兆円現状あるので賄えていますが、
国家債務は年々増加している反面、家計資産は微増なので10年以内には追いつくと管理人は見ています。
国内で賄うことができなくなると外国人に引き受けを頼む必要がありますが、
彼らは現在の日本国債の金利では引き受けないので、国債金利が上昇して返済不能になります。
返済不能になった場合、日本国債の価値が減少し、さらに日本円の価値が暴落して急激なインフレが発生します。
その際の対策として金や不動産を保有するのは一つの防御になるのですが、
まだ家計資産でまかなえる内は防御に回るのではなく5年位は資産を増やすことに注力した方が良さそうです。
日銀が毎年発表している資金循環統計で国家債務と家計資産の推移は日々確認しておいた方がよいでしょう。
直近の資金循環統計のP4で家計資産、P9で政府債務が記載されていますのでご覧いただければと思います。
ヘッジファンドやPEファンドという選択肢
ヘッジファンドやPEファンドというのはまさに富裕層のための投資先です。
通常の株式投資では最初に述べた米国株式連動のETFや投資信託を購入することが有効なのですが、
市場平均は7%〜8%しかリターンを狙うことはできません。
10%以上のリターンを長期的に狙っていくには特別な手法が必要なのですが、
まずは既に長期間といえる20年間にわたって年率10%以上のリターンを出している、
米国の大学基金のポートフォリオをご覧ください。
年率10%で運用しているハーバード大学はヘッジファンドとPEファンドで34%、
更に高い年率20%で運用しているイェール大学はヘッジファンドとPEファンドで56.4%となります。
結局ヘッジファンドとPEファンドとはどのようなファンドの形態なのかという点については、
以下でまとめています。
👉 ファンドの種類毎のおすすめランキングを紹介してみる、投資信託・ヘッジファンド・PEファンド
ここでは重複になりますので簡単に説明しますと、ヘッジファンドはたとえ市場下落局面でも収益獲得を狙い、
相場下落時の価格減少をミニマイズする投資手法で、
PEファンドは上場していない企業を買収して、実際に経営を行い企業価値上昇後に売却して、
大きな利益獲得を狙う投資手法です。
PEファンドも上場企業への投資を行なっていないので市場の好況不況の影響を受けにくく、
年率15%〜20%程度の利回り獲得を狙うことができます。
通常日本人の個人投資家レベルではたとえ1億円保有していたとしても、
海外のヘッジファンドやPEファンドには投資することができませんが、
以下では日本人でも投資ができる私も投資をしているPEファンドを含めて紹介しておりますので、
参考にしていただければと思います。
👉 日本のオルタティブ投資先(ヘッジファンド・PEファンド)おすすめランキングBEST3を紹介する!
👉 【トータスパートナーズ】日本発新進気鋭の評判のPEファンド「TORTOISE PARTNERS」の実態に迫る!
1億円を投資する際に検討できる金融商品・実物資産のまとめ
投資信託は基本的には対象外とすべきですが、米国や世界の株価に連動するインデックス型の投資信託は、
長期的に地道に増やすには適した投資先となる。
金や国内不動産は狙えるリターンがすくなく通常は投資先として検討すべきではないが、インフレヘッジとしては有効なため、
日銀の資金循環統計をながめつつ家計資産を政府資産が上回る局面でインフレ対策として仕込むのに有効となる。
通常時に下落リスクを抑えながら市場平均を上回るリターンを確保するのであれば、
ヘッジファンドやPEファンドといった新時代の投資手法が最も有効な投資先となり、
実際に欧米の機関投資家も積極的に組み入れている。
以上、