3000万円~4000万円あったら、なんとかリタイアできないだろうか?
早く労働から抜け出したいと考えられている方は多いと思います。
今回は3000万円~4000万円あったらリタイアできるのか?
リタイアするにはどれだけの利回りが必要なのか?
またリタイア出来ないのであれば、出来うる限り早くリタイアする為には、
どのような方法がおすすめ出来るのかという点についてお伝えしていきたいと思います。
3000万円~4000万円でリタイアは現実的ではない
まずいきなり核論となりますが、3000万円~4000万円ではリタイアは不可能です。
リタイアする為には2億円程度の資産が必要となってきます。
☞ 2億円~3億円あればアーリーリタイアできるのか?
世界の平均的な運用利回りは『21世紀の資本論』によると平均4.5%程度となっています。
以下図のPure rate of return to capital (r)が資産運用の利益率なのですが、
歴史上殆どの期間で4.5%、調子のよい時で5%程のリターンに留まっています。
3000万円を仮に5%で運用できたとしても年間150万円、4000万円であっても年間200万円となります。
仮に平均以上の年率10%程度のリターンがあったとしても300万円~400万円になります。
また、投資によるインカムゲインのみで運用することは非常に高いリスクを抱えることになります。
毎年4000万円で5%が確りだせるのであれば2oo万円の収益となり、
キャピタルゲインにかかる税約20%を差し引かれ手取は160万円となります。
仮に地方にお住まいで、子供も存在せず家賃も発生しないような環境であれば、
つつましやかに生きればなんとか生存することが出来ます。
しかし、5%で確りと確実に発生するという前提に基づく算出にすぎません。
仮に運用損が出てしまった場合は、生活費を更に出してしまうと、
元本が大幅に減少して今後の生活が更に困窮することになるのです。
例えば4000万円を運用して市況が悪く20%の損失が発生し3200万円になったとします。
しかし生活費はださないといけないので2oo万円を取り崩してしまうと3000万円に元本が減少します。
すると、次の年度に回復して5%の収益が発生したとしても、収益は150万円になり税引後では120万円となり、
事実上インカムゲインによる配当生活は破綻してしまうのです。
3000万円~4000万円でリタイアを実現する為の運用利回りは20%!?
それでもなんとかリタイアしたいという場合、
リタイアの為に運用利回りは20%程度を継続的に出す必要が出てきます。
例えば4000万円で運用利回りが20%であれば800万円の収益となり、
ここから慎ましく300万円を利益確定して税後240万円で一年間生活して、
元本を4500万円とします。
翌年、4500万円を更に20%で運用して900万円の収益となり、
ここから慎ましく300万円を利益確定して税後240万円で一年間生活して、
元本を5100万円とします。
ということを繰り返すと、11年後に2億円に資産を達成させることが出来ます。
20%の運用利回りを10年以上出し続けるのは非常に難易度の高いことで、
また元本が減少する年は先ほど説明した通り元本が大幅に減少し、
実際は更に難易度が高くなります。
長期間に渡って約20%のリターンを出している投資家はバフェットレベルの資産運用力が必要となります。
また、バフェットであっても20%以上の資産を失う年もあることからわかるように、
現実的なプランでないことはお分かりいただけるとかと思います。
必要なのは複利での運用。年率10%は現実的に狙える !!
3000万円~4000万円でリタイアする為には、20%程度の高いリターンを出し続け、
生活費を引き出すことが要件となっていました。
生活費をだすということは運用から配当金をだすということと同じなのですが、
配当金を自分に出してしまえば運用資産の一部を取り崩すこととなり、
複利効果が大幅に削がれる結果となってしまいます。
一方、暫くリタイアをあきらめて生活費の為の運用資産残高を取りくずさなければ、
毎年複利効果を見方につけ指数関数的に資産が成長していきます。
仮に10%で3000万円と4000万円を運用した場合は、
3000万円は13年後に1億円、20年後に2億円
4000万円は10年後に1億円、17年後に2億円を達成します。
しかし、そんなに長い期間待てないという意見も多いと思います。
3000万円~4000万円を蓄えられた方なら、毎年300万円程度の蓄財を行う力があると思いますので、
毎年300万円を追加投資した場合以下のように資産は成長していきます。
3000万円は9年後に1億円、15年後に2億円
4000万円は7年後に1億円、13年後に2億円を達成します。
なんとか辛抱できるレベルなのではないでしょうか。
年率20%の継続は難しいのですが年率10%程度であれば平均して出すことは可能な水準となります。
暫く我慢をして運用で資産を形成してからリタイアした方がよいでしょう。
年率10%で運用していく際に考えるべきこと
まず前提として最初に申し上げた通り、資産運用の平均的なリターンは歴史的に4.5%~5%であり、
長期間にわたり高いリターンを出し続けている米国の株式であっても、
年率7%に届かないレベルであるということです。
では年率10%をだすことは不可能かといわれると、実際に10%以上の利回りを長期間にわたって、
出し続けている機関投資家が存在しています。
米国の超一流大学の基金は20年の平均年率リターンは10%~12%と安定的な成績を出しています。
米国の運用基金をエンダウメントというのですが、
エンダウメントは70%程度を『オルタナティブ投資』といわれる、
近年注目されている投資先に預け入れることにより、
ポートフォリオの安定性を増幅させると共に、市場平均を上回る成績を安定的に出しています。
オルタナティブ投資は株式市場や債券市場とは異なる値動きをする資産で、
中でもPEファンドやヘッジファンドは高いリターンを叩きだしています。
☞ オルタナティブ投資の種類とメリット・デメリットをわかりやすく紐解く
☞ ファンドの種類毎のおすすめランキングを紹介してみる、投資信託・ヘッジファンド・PEファンド
以下はハーバード大学の運用ポートフォリオですが、全体の70%程度をオルタナティブ投資で占めています。
ハーバード大学の20年平均リターンは年率10%ですが、更にオルタナティブ投資のポーションが高い、
イェール大学は20年平均で年率12%のリターンを叩きだしています。
以下に、3000万円をイェール大学流に運用する手法について纏めていますので、
参考にして頂ければと思います。
☞ 【3000万円資産運用】エンダウメント流ポートフォリオを構築し年率10%以上を安全に狙う
3000万円~4000万円でリタイアするために必要なことまとめ
3000万円~4000万円ではリタイアすることは現実的ではなく、
追加投資を行いながら10%程度のリターンを複利で出すことにより、
10数年後には目指していたリタイアを実現することが出来ます。
年率10%を出し続ける為には、通常の株式投資だけでは難しく、
世界の最先端の運用手法にならってオルタナティブ投資をふんだんに組み入れて、
投資ポートフォリオを組む必要があります。