私はヘッジファンドを始めとしたオルタナティブ投資を行っております。
その中でも最も投資額が大きいのがヘッジファンドとなります。
ただ、ヘッジファンドという言葉を聞いても、結局どのようなファンドなのか答えられる方は少ないのではないでしょうか?
本日は、そもそもヘッジファンドと投資信託は何が違うのか?
という点について4つの側面から紐解いていきたいと思います。
ファンドの形態が違う-公募ファンド?私募ファンド?-
ヘッジファンドと投資信託は同じファンドという形態であるという点においては同じです。
ファンドとは投資家から資金を集めてきて、株式市場を始めとしたマーケットに投資を行います。
得られた投資利益を出資者に出資額に応じて分配する事業形態のことを指します。
ヘッジファンドと投資信託ではファンドという点では共通していますが、ファンドの形態が異なります。
👉 ファンドの種類毎のおすすめランキングを紹介してみる、投資信託・ヘッジファンド・PEファンド
投資信託は公募ファンドと言われるファンドです。
第一種/第二種金融商品取引業や投資助言・運用業者としての登録を金融庁に対して行っております。
金融庁から運用方法に厳しい規制を適用される代償として公に募集宣伝を行うことを許可されています。
皆さんが金融機関の窓口やネット証券を通じて投資信託を購入することが出来るのは、投資信託が公の募集を許された公募ファンドである為なのです。
金融庁の規制を受けると、空売りやレバレッジを掛けた運用が出来なくなりますし、投資対象を株から不動産といったように変更することも出来ません。
一方、ヘッジファンドは金融庁に対する登録を行わないファンド形態です。
自由に運用を行うことが出来ますが、その代償として公にファンドの募集をかけることは出来ないという欠点があります。
またヘッジファンドは出資者を募集できる人数に500人未満といった上限が設けられており、評判と直接の紹介等を通じて富裕層を中心に高い最低出資額を設けて出資を受け入れています。
500人が1人10万ずつしか出資しなかったら、5,000万円しか集まりませんからね。
5,000万円では規模を活かしたダイナミックな投資ができません。
そのため、1人あたりの最低出資額を海外の著名ファンドでは少なくても1億、私の投資している国内のヘッジファンドでは1,000万円と設定しております。
金額については応相談らしいですが、、
責任を負う範囲が違う
投資信託に投資をされた経験のある方なら分かると思いますが、投資信託はあらあじめ投資する分野が定められています。
例えば、中国株投資信託と謳われた投資信託であれば投資分野は中国株に限定されます。
そして中国株の市況が悪ければ、中国株に投資を行っている当該投資信託の成績が悪くても咎められることはないのです。
つまり投資信託を選ぶということは、投資をする分野を選ぶということを意味しているのです。
一見プロに投資を任せているように勘違いしがちですが、その実自分で一番重要な投資分野を選ばなければいけないのです。
一方、ヘッジファンドはヘッジファンドが取る戦略については選択をとる必要があります。
しかしヘッジファンドは一旦戦略を選択したら、どのような市況環境であっても収益獲得を目指す絶対収益型の投資ファンドとして知られています。
例えリーマンショックのような全てのマーケットが沈むような状況においても、損失をミニマイズして収益獲得を狙うことが求められるのです。
つまり投資信託が市況のせいと言い逃れできるのに対して、ヘッジファンドは収益獲得そのものに責任を持っているので言い訳が出来ないファンドであるということが出来ますね。
実際ヘッジファンドの帝王とよばれ17兆円規模の資金を運用しているブリッジウォーター・アソシエイツのレイ・ダリオ氏は、
市場平均に対してプラスのリターンを出すことがヘッジファンドの本質的な価値であると明言しています。
市場平均のリターンでよければ、市場平均に連動するパッシブ型の投資信託かETFを購入すれば良いですからね。
投資成果に拘るのがヘッジファンドの特徴であるということが出来るでしょう。
手数料形態が違う
手数料形態については以前特集しましたが、ヘッジファンドと投資信託では根本的にことなります。
👉 ヘッジファンドの手数料体系を投資信託と比較しわかりやすく比較する!ハイウォーターマークとは?
簡単におさらいしますと、共通点はどちらも購入時の購入手数料がかかるという点です。
投資信託にはノーロードという購入手数料がかからないものもありますが、一般的には購入時に手数料は発生します。
購入後、投資信託にかかる手数料は毎年投資資金全額の何%という手数料形態です。
この手数料形態を信託報酬型の手数料形態といいますが、信託報酬年率2%で1,000万円を預けた場合年間の手数料は20万円になります。
一方ヘッジファンドの手数料形態は成功報酬型の手数料形態となります。
つまり例えば30%の成功報酬型ということであれば、1,000万円を1,300万円に増加した場合300万円の30%つまり90万円が成功報酬の手数料となります。
さて、この二つを比較して投資信託の方が手数料が少なそうだなと考えられた方が多いのではないのでしょうか。
確かに大きな利益をあげたときにはヘッジファンドへの手数料は大きくなりますが、成績が悪く元本割れした時の成功報酬手数料は発生しません。
一方投資信託は信託報酬2%とすると1200万円に増やしたら24万円と少ないですが、800万円に減ってしまった場合も16万円の信託手数料が発生するのです。
ここから分かる通り、ヘッジファンドは成果に責任を持っているのに対して、投資信託はいくらの資金を投資家から集めるかに躍起にならざるを得ないという違いが読み取れます。
貴方が、ファンドマネージャーになったと考えてください。
増やした分だけ手数料が増えるヘッジファンドと、
増えても減っても手数料があまり変わらない投資信託ではモチベーションがそもそも大きく違ってくるのがご理解いただけるかと思います。
重要なのは手数料をいくら支払うかではなく、どれだけ資産を増やしてくれるかということです。本質を見失わないようにすることが重要です。
人材の違い
投資信託はサラリーマンとして資産運用会社にいはいった新卒が経験をつんで、ファンドマネージャーになるケースが殆どです。
つまりサラリーマンファンドマネージャーということですね。
一方、ヘッジファンドは外資系の金融機関などで経験を積み、確かな実績をもった優秀な方が独立をしてファンドマネージャーとなるケースが殆どです。
つまりヘッジファンドのマネージャーはファンドマネージャーであると同時に経営者でもあるのです。
投資信託のファンドマネージャーがスペシャリストではないサラリーマンであるのに対して、ヘッジファンドのファンドマネージャーは資産運用のスペシャリストなのです。
またモチベーションの問題としてファンドマネージャーは利益を出すか損失をだすかで成功報酬手数料が手に入るか入らないかの違いが出てくるので大きく収入に影響が出てきます。
損失を出しても首にならず、給料もあまり変わらないファンドマネージャーと生活がかかっているヘッジファンドのマネージャーではマーケットに向き合う真剣さも自ずと異なってくるでしょう。
更にヘッジファンドのマネージャーとファンドの構成員は自分の資金もヘッジファンドに入れているケースも多いため、投資家と同じ目線で真剣に取り組んでいるのです。
資金を預ける側としても、同じ立場でマーケットに向き合っている方に大切な資金を預けたいですよね。
総括
あらゆる面でヘッジファンドの方が投資信託よりも収益を挙げることに特化したファンド形態であるということが出来る。
日本の市場平均に対してプラスのリターンを追求するアクティブ型の投資信託は、
手数料を含めるとマイナスのリターンが半数を以上を占める低品質なもので、投資信託への投資は指数に連動したものに限定した方がよいでしょう。
ヘッジファンドについては以下で詳しく纏めておりますので、合わせてご覧頂ければと思います。