元本保証投資が安全なように見えて実は危険であるという点について、
お伝えしてきました。
☞ 元本保証投資の代表的な金融商品4選を紹介しメリット・デメリットについて説明する
☞ 元本保証型投資で高利回りと思われている保険の罠~資産運用の観点から危険を説明~
今回は元本保証ではない株式投資において理論的に元本保証といえる安全な投資手法について紹介し、
最も安全で尚且つリターンが高く見込める手法であることをお伝えしていきたいと思います。
株式投資で元本保証的な方法ってどういうこと??
まず前提としてなのですが、今回お伝えする投資方法いはあくまで元本保証ではなく、
理論的に考えて元本保証と変わらないでしょうという方法です。
まず皆さんに簡単な質問なのですが、
百貨店で3万円の価値のある財布に2万円の現金が入っている財布が売っていたとします。
この財布が、もし1万5000円で売っていたらどうでしょうか。
買わない人なんているのでしょうか??
買う選択肢しか見つかりませんよね。
だって2万円入ってるんですから、仮に財布自体の価値が0円だったとしても、
5000円のおつりが返ってきます。
当然、百貨店で先程の例のような財布が販売されていることはないのですが、
株式市場では販売されているのです。
株式市場で狙うのは正味当座資産のみで時価総額を上回る『ネットネット株』
では先程の百貨店のような株式とはどのような銘柄なのかという点について説明していきたいと思います。
株式には理論株価というものが存在する
まず前提として株価については理論的な株価というものが存在します。
理論的な株価は以下の二つの合計で表されます
① 現在企業が保有しちえる純資産の価値 ( 総資産 - 総負債)
② 今後企業が稼ぐ利益の合計
要は今いくら持っていて、将来いくら稼ぐかってことですね。
まるでドラマの名作『やまとなでしこ』の桜子さんが初期で、
『男の価値は収入と資産で算定します』と言っていたのを思い出します。
『ネットネット株』が着目するのは①の純資産価値
ネットネット株が着目するのは①の企業のバランスシートです。
むしろ、不確定要素が非常に高い将来の利益については、
最早無いもの(つまり0)としてカウントに入れません。
更に保守的に①純資産の中にも本当に価値が額面通りあるのか怪しいものが多く含まれています。
つまり、資産の部に計上されている商品や設備、建物、のれん等が本当に計上されている金額の価値があるか、
分からないので、これらの資産も0として見積もります。
こうして残った現金や売掛債権(売掛金・受取手形)や有価証券といった確かな価値があるものから、
全ての負債を差し引いた時に残った正味当座資産だけを『絶対的に確かなモノ』として受け入れます。
最初に出した財布の例でいうと財布の中に入っている2万円がまさに正味当座資産ということです。
正味当座資産が時価総額よりも高い企業が理論的に元本保証ともいえる銘柄
百貨店の財布の例で値段である1万5000円に相当するものが企業の時価総額です。
時価総額は『発行済株式数 × 株価』で表され、
企業を丸々購入しようとした場合の価格です。
企業のお値段(=時価総額)よりも正味当座資産の方が高ければ、
正に先程の百貨店で2万円が入った財布が1.5万円で売られている状況にある
ということが出来るのです。
今保有している現金性の資産だけで、売値よりも高いのですから、
これ以上価格が下落する方が考えにくいですよね。
☞ ベンジャミン・グレアム流の本格的バリュー株投資~ネットネット株とは?~
何故、株式市場では圧倒的に割安な銘柄が取引されているのか??
確かに、上記のように保守的に更に保守的に見積もった基準で選べば、
価格下落リスクが低いことは分かった。
けど、そんな都合のいい企業なんて存在しているの??
と疑問に思われた方もいるのではないでしょうか。
株式市場というのは非常に不思議な場所で、実態の本質的な価格とは著しく外れた
価格を提示することが頻繁にあるのです。
バフェットの師であるベンジャミン・グレアムは、株式市場の不思議な現象を、
ミスターマーケットという訪問販売人が毎日やってきて、毎回『この銘柄はいくらですよー』
と気まぐれに提案してくると表現しています。
短期的にはあり得ないような低い価格を提示してくることもあるのですが、
株価は長期的に見ると理論的な株価に近づいていくことが歴史上確認されています。
つまり、短期的には気まぐれな価格をつけるミスターマーケットも、
長期的にみると確からしい金額を提示するようになるということなのです。
どこに疑似的元本保証型『ネットネット株』が存在しているのか??
では疑似的元本保証型株ともいえる『ネットネット株』がどこに存在するかというと、
流石になかなか大企業群が犇めく東証一部には存在していません。
東証一部の銘柄は大抵証券会社のアナリスト達の分析対象となっているので、
圧倒的な割安水準で放置され続けることはなかなかないのです。
あまりに割安だと当然買い推奨が出され、瞬く間に適正な価格に是正されてしまうのです。
しかし東証二部や地方証券取引所に上場されている小型銘柄では誰も分析対象とない為、
理論株価から考えて、あり得ないレベルのネットネット株が存在しているのです。
結果として歴史的にみて小型のバリュー株といわれる分類の銘柄が、
他の大型バリュー株やグロース株の成績を圧倒していることからも、
小型の銘柄の中に元本保証型の魅力的な銘柄が多く存在していることが読み取れます。
『ネットネット株』に効果的に投資をする方法
ネットネット株に投資をするにしても、まず見つけるのが難しいですし、
仮に見つけたとしてもネットネット株には欠点があります。
ネットネット株は地方の小型株ということもあり、なかなか適正価格まで是正されることがなく、
利益を得るために長い期間を要する銘柄が多いです。
注目されていない企業を注目させるには、増配や自社株買などのニュースで脚光を浴びせかけるしかありません。
全く注目していなかった銘柄にスポットライトがあたると適正価格まで株価が急騰して、
大きな利益を獲得することが出来るのです。
個人では多くの株を購入することが出来ず、その為『モノ言う株主』になることが出来ず、
積極的に企業の株価を引き上げることが出来ないのです。
その為、ファンドという大規模な資金で株主となり、経営にモノ申して能動的に、
利益を引き上げる形式がワークするのですが、残念ながら現在日本の投資信託で、
ネットネット株投資を行っているものはありません。
しかし、私の投資しているPEファンドはもともとがネットネット株投資を行っている、
ヘッジファンドが立ち上げたファンドということもあり、
未公開株に投資を行った後の残高に対してはネットネット株運用を行っています。
PEファンド投資ではなく、ネットネット株投資だけを行いたいという方は、
元々のヘッジファンドの紹介も受けられると思いますので
興味のある方は以下ご覧頂ければと思います。
元本保証投資ともいえる株式投資の投資手法まとめ
元本保証投資とは程遠いと思われている株式投資ですが、
正味当座資産が時価総額を上回っている銘柄(=ネットネット株)に投資できれば、
株価が下落する可能性が低く元本保証投資に似た投資を行うことが出来る。
まさに2万円の現金が入っている1万円の価値がある財布を1.5万円で買うことが出来るのです。
ネットネット株には個人で投資をおこなうのではなく、プロに任せることによって
大きな利益獲得を狙うことが出来ます。
以下のファンドランキングもご覧頂ければと思います!