元本保証投資については知らずのうちに定期預金に預けていたりと、
我々日本人は常に元本保証を求める傾向にあります。
今回は代表的な元本保証投資先といえる金融商品5選を紹介した上で、
元本保証型投資の全体にいえるメリットとデメリットについて言及していきたい思います。
元本保証型投資の種類を紹介
まずは元本保証型投資の種類について言及していきたいと思います。
元本保証投資先①:定期預金
元本保証と聞いてまず最初にい思いつくのは定期預金ではないでしょうか。
普通預金に預金していれば0.01%しか金利が付かない現在の低金利環境下において、
大手銀行で0.1%程度、ネット銀行で最高0.3%の金利を享受することが出来ます。
コラム:何故定期預金は普通預金に比べて高い金利を享受できるのか
何故、定期預金がふつう良きの10倍~30倍もの高い金利を享受できるのか、
気になった方もいるのではないでしょうか。
簡単に説明すると銀行のビジネスモデルは国民から低い金利でお金を借りて、
企業に高い金利でお金を貸すことによる金利の利鞘で儲けています。
普通金利は確かに皆さんには非常に
低い0.01%しか金利を支払いませんが普通預金はいつでも引き出すことが可能です。
つまり銀行としては、いくらまで企業に資金を貸し出していいいのか分からないのです。
その為、がっちりと確保できる金額を固める為に引き出し制限のある定期預金が、
多少金利が高くても(いっても0.1%~0.3%なんかしれていますが、)
銀行側にもメリットがあるのです。
元本保証投資先②:債券 (国債)
次に代表的な債券投資ですが、債券投資の中にも国債と外債の二つがあります。
まずは国債なのですが現在日銀の異次元の金融緩和によって、
10年ものの国債の金利を0%近辺に固定させるイールドカーブコントロールを実施しており、
10年もの未満の国債金利は0%未満となっています。
☞ 日銀の長短金利操作付き量的質的金融緩和をわかりやすく解説~イールドカーブコントロール?オーバーシュート型コミットメント?~
しかし、財務省が国民向けにだしている個人向け国債は年率0.05%~0.09%で販売している為、
投資先として候補にあがりますが、冷静に考えて定期預金よりも低い金利であり、
投資妙味は殆どないと言えます。
元本保証投資先③:債券 (外債)
次に私が元本保証投資の中で唯一、一部投資をしても良いかなと考えているのが外国債券です。
ここで取り上げる外国債券はトルコや南アフリカなどのような超高金利を見込める投資先ではありません。
これらの国の国債は確かに利回りが高いのですが、元本が保証されるのは現地通貨ベースでの話です。
年率10%のリターンを獲得できたとしても、通貨が今年のトルコリラのように50%も暴落しては、
最終的なリターンは円建では▲40%になってしまいます。
私が日本円では元本保証ではありませんが、米ドル建では元本保証といえる、
米国の債券(国債・社債)です。
正直借金大国の日本において今後日本政府の信認が揺らぎ日本円が大暴落する可能性が高いことを考えると、
日本円建での元本保証より、米ドル建の元本保証の方が寧ろ魅力的ですよね
現在楽天証券では米国債と米社債が以下のように手軽に取引することが出来ますので、
国債と社債を組み合わせることにより3%程度の債券ポートフォリオを組み入れることが出来ます。
米ドル建でこれだけの利回りが確保できるのであれば、元本保証型の投資としてはかなり優秀でしょう。
元本保証投資先④:積立保険
最後は前回紹介した積立保険です。
☞ 元本保証型投資で高利回りとお思われている保険の罠~資産運用の観点から危険を説明~
積立保証は30年後に総積立額の1.2倍の金額となって返ってきて、30年間の保険機能も付いています。
しかし、平均利回りは年率1.2%という非常に低いもので、
月額4000円~5000円の掛け捨て保険を掛けながら、最低でも先程説明した米債券や、
更に高い利回りが狙える米株式市場やオルタナティブ投資で運用をしたほうが明らかに合理的な選択となります
元本保証型投資のメリットとデメリット
今まで様々な種類の元本保証型投資について見てきましたが、元本保証型投資のメリットとデメリットについて、
見ていきたいと思います。
元本保証型投資のメリット
正直メリットといえるものは全く見当たりませんが強いていうのであれば、
元本が毀損することがないという精神的な安定くらいでしょうか。
しかし、残念ながら確かに額面上は元本が保証されますが、
実質的な金額という点まで考えると実はマイナスになる可能性が高いのです。
それでは元本保証型投資のデメリットについて見ていきましょう。
元本保証型投資のデメリット①:低い利回り
まずは言を待たないとは思いますが、低い利回りです。
定期預金や国債では資金を倍にするのに300年近くの時間を要します。
300年後には現在の日本円が通貨として流通しているかさえ怪しいですよね。
資産運用とはいえない余りにも低い利回りというのが最大の欠点です。
定期預金の0.3%という金利は100万円を預け入れたとしても、年間3000円しか金利を貰えないことになります。
少しいい昼ご飯を夫婦で食べたら終わりですね。
元本保証型投資のデメリット②:低い利回りによる機会損失
2015年に話題となったトマ・ピケティの『21世紀の資本論』によって、
投資によって得られる利回りである資本収益率は4%~5%と歴史的になっているが証明されています。
以下のPure rate of return to capital rが資本収益率の推移です。
普通に資産運用を行っていれば4%~5%で運用できる機会を捨てているので機会損失をしているということが出来ます。
元本保証型投資のデメリット③:今後発生するインフレによって実質利回りはマイナスとなる可能性大
インフレこそが最も私が元本保証型投資を行うべきものではないと考える理由なのですが、
今あるお金の価値がそのままの価値を維持し続けると考えるのは現在の日本の病とでもいえます。
現在日本はバブル崩壊以降30年間にわたって、デフレ経済が続いていますが、
これは日本特有の異常な事態で欧米の先進国ですら毎年2%程度のインフレが発生しています。
現在日銀も年率2%のインフレを目指して大規模な金融緩和を行っておりますが、
仮に日銀の目論見が失敗したとしても日本政府の返済不可能な借金によって、
日本円の通貨としての信認が揺らぎ急激なインフレが発生することとなります。
超低利回りの元本保証型投資でようやく5%増えた時には現金価値が半分になっていて、
実質的には大損することになってしまうというようなことも起きてしまうのです。
特に今後の日本においてはインフレに注意を払い、非常に低金利の元本保証型投資は、
避けたほうが良いでしょう。
元本保証型投資のデメリット④:長い期間の資金拘束
最後に四つ目ですが、定期預金にせよ、債券投資にせよ、積立保険にせよ、
一定期間短いもので1年、長いもので30年間資金を引き出せない。
つまり資金が拘束されてしまうのです。
たとえ、その間急激なインフレが発生したとしても、
子供の教育などで急に資金が入用になったとしても資金を引き出すことが出来ないのです。
資金拘束が長いといわれる年率10%以上のリターンが望めるPEファンドやヘッジファンドといった、
投資先でも四半期~1年間の資金拘束しかうけないことを考えると、
元本保証投資の資金拘束期間は超長期間であるということが出来るでしょう。
元本保証型投資まとめ
元本保証型投資は主に定期預金・国債・外債・積立保険といった種類がありますが、
まだ3%というましな利回りを狙える米債券の除いて超低利回りとなっています。
更にインフレで実質的にはマイナスの利回りになること、
資金拘束が超長期間に亘るというデメリットを抱えています。
また確りとした運用を行えば安定して5%以上のリターンを望めるにも関わらず、
得られるはずのリターンを逃しているという機会損失が大きく、
元本保証投資は非常に勿体ない選択肢となってしまっています。
以下は安定した運用で資産を成長させている米の大学基金を元に各資産毎の、
運用方法について、まとめていますので参考にしてみて下さい!
☞ 資産分散を行い市場平均をオーバーフォームする投資ポートフォリオを組成する為の考え方
☞ 2000万円をハーバード流に資産運用ポートフォリオを組み安定的に10%の利回りを目指す
☞ 【3000万円資産運用】エンダウメント流ポートフォリオを構築し年率10%以上を安全に狙う
☞ 5000万円をイェール大学流ポートフォリオで資産運用し年率10%を安全に長期的に目指す
☞ 【1億円資産運用】ハーバード大学基金に類似したポートフォリオを組み安全に年率10%を狙う