2019年から1000万円を投資する方に向けて本日は検討すべき対象10選を比較分析していきたいと思います。
今回は一般的に魅力的なものに限らず、他のサイト等では紹介されないような斬新で、
魅力的な投資先についても利回り別に触れていきたいと思います。
中には魅力的なものの投資最低出資額が1000万円以上となっているものもあるので、
今回は1000万円以上を保有する方に向けて各金融商品の2019年からの見通しも交えて記載しております。
また明らかに運用対象としては低利回り過ぎて不適切な定期預金や日本国債・積立保険については、
紹介する必要もないと判断して説明を省いておりますので興味のある方は以下も参考にして頂ければと思います。
☞ 元本保証投資の代表的な金融商品4選を紹介しメリット・デメリットについて説明する
☞ 元本保証型投資で高利回りと思われている保険の罠~資産運用の観点から危険を説明~
それぞれの投資先を紹介する前にまず各金融商品をリスク・リターン毎に、
網羅的に分類しておりますので、まずはご覧頂ければと思います。
米国債・社債(期待利回り3%):★★☆☆☆☆☆☆☆☆
まずは安定投資先としての米国債・米社債です。
債券投資なので満期まで保有していれば、満期までの資金拘束を受けますが、
米ドル建では元本保証という安全性の高さが魅力です。
新興国の債券投資は確かに利回りは高いのですが、
新興国通貨の値動きが激しい為日本円建で考えると大きな損失を出す可能性があるので、
世界の基軸通貨の米ドルを保有できるということは通貨分散という観点からも魅力的でしょう。
☞ 日本銀行の金融政策が2%のインフレ率を目標としている理由をわかりやすく解説
利回りが低いのが難点ですが一部は安全資産に預けておきたいという方にとっては、
定期預金よりはおすすめできる投資先となります。
2019年中盤まではFRBの利上げが継続する見込みである為、
2019年の中盤までであれば米国債と米社債を組み合わせることにより3%程度の利子配当を、
狙うことは十分に可能になります。
以下は2018年末時点で楽天証券の米国債・米社債で取引可能な銘柄になるので、
参考にしてみて下さい!
リート(REIT)(期待利回り4%~5%):★★★☆☆☆☆☆☆☆
リートはReal Estate Investment Trustの略で不動産投資信託のことを指します。
名前から分かるように個人でも少額から不動産に投資ができるようになった画期的な金融商品ですが、
米国では1960年から、日本では投資信託法の改正で2001年から運用が開始されています。
REITの特徴は不動産投資から収益を得て、得られた収益の殆どである90%以上を投資家に分配することにより、
法人税が免税となる仕組みである為、株式投資に比べて高い配当金利回りが期待でき、
J-REITやUSリート共に平均配当利回りは4%~5%と両国の株式市場の平均配当利回り2%を大きく上回っています。
リートの詳しい内容と、各リートの種類毎の見通しについて纏めていますの参考にして頂ければと思います。
☞ 高配当利回りで評判のJ-REIT(リート)の2020年からの見通しは?
REITは日米共に配当利回りは高いのですが、反対にいうと配当金を再投資することが出来ないという欠点があり、
結果的に株式市場に対してキャピタルゲインを含めると低い傾向にあります。
投資による利益は投資対象が得られた収益を再投資して、更に利益を伸ばすという、
複利の効果で利益を伸ばすことで大きな値上がり益を見込むことが出来るのです。
得た収益を殆ど分配しなければいけないREITは長期的にみると株式よりは魅力が少ない投資先といえます。
また不動産投資なので私が得意としているオルタナティブ投資の一つなのですが、
オルタナティブ投資の特徴である株式市場と値動きが連動しないという特徴を日本や米国のリートは有しておらず、
株式市場とある程度連動した動きを行いますので資産分散の観点からも、
株式と同時に保有しないほうが良いでしょう。
☞ 資産分散を行い市場平均をオーバーパフォームする投資ポートフォリオを組成する為の考え方
☞ 高い分配金利回りで評判の『新光US-REITオープン(ゼウス投信)』に投資をするのは危険?下落し続ける基準価格の罠
MLP(期待利回り7%~8%):★★★☆☆☆☆☆☆☆
MLP??初めて聞いたという方も多いのではないでしょうか。
斬新な投資先として登場する1つ目の投資先であるMLPなのですが、
正式名称はMaster Limited Partnersといわれる米国の共同事業体であり、
REITのエネルギーバージョンとして米国で注目されている投資先です。
MLPはエネルギー関連の精製・貯蔵・輸送(パイプライン)のインフラに投資を行い、
長期的な契約を結ぶ為、市場平均に連動せず安定的なリターンを出せるオルタナティブ投資です。
配当利回りはREITを更に上回る7%~8%という高い水準となっています。
まさにインカムゲインの王者といえる水準ですね。
しかし、いくらインフラの長期的な契約を結んでいたとしても
2014年~2016年に掛けての原油価格が5分の1大暴落するような局面では、
半分以下に価格は下がりましたし、直近の株式市場の上昇局面では上昇しにくいという難点もあります。
配当込みのリターンも結局はリートと同じ水準となっており、
MLPも得られた利益の殆どを配当しなければいけないという縛りはリートと同じですので、
利益の再投資が出来ずに結果的に株式市場には最終リターンでは負けてしまうのです。
また現在原油価格は頭打ちの様相が強くなっているので、
ここからの上昇は難しくなってきており配当狙いと株式市場との価格の連動は低いので
ポートフォリオの安定性を増すために一部投資するのを検討するにとどめた方がよいでしょう。
☞ 高い利回りで大注目MLPとは??2018~2019年の今後の見通しと共にわかりやすく解説
☞S&P MLP指数へ連動を目指すMLP投資信託・インデックスファンドMLPを徹底分析
☞ 評判の米国エネルギーMLPオープン(愛称:エネルギー・ラッシュ)を徹底評価-
金(期待利回り0%~1%):★☆☆☆☆☆☆☆☆☆
金も投資先として検討されている方は多いのではないでしょうか。
金の魅力は金は金として価値が変わらないことです。
例えば日本円は日本政府への信用によって日本円の価値が保証されており、
日本が財政破綻宣言つまりデフォルトを行うと、たちまちただの紙屑になります。
一方、日本政府がデフォルトしたとしても金は金として輝きを放ちます。
しかし、金には決定的・致命的な欠点があり、配当を出さないし金としての価値が上昇しません。
資産価値が上昇するのは株式にしても、不動産にしても利益や賃料があがり、
資産そのものの価格が上昇するという過程をたどるのですが金は保有していても何も生み出しません。
結果として以下のように米国の1802年からのデータでは紙幣の次に悪いパフォーマンスとなっています。
<引用:Real Return Index>
米ドルが下落しているのは平均1.4%のインフレの影響で相対的な現金の価値が、
200年間で20分の1になっている為であり、金は年率0.5%とインフレすら賄えないレベルとなっています。
全体として金投資のメリットは低いのですが、急激な戦後日本のようなハイパーインフレが起こる局面では、
金の価値が紙幣に対して相対的に急騰する為、日本の財政破綻を意識するのであれば、
米ドルを始めとした外貨建資産の一貫として一部金を保有するのは、テールリスクの対策としては有効となり得るでしょう。
☞ インフレ対策に金投資は有効なのかを徹底検証
VTI(期待利回り7%~8%):★★★★★★☆☆☆☆
今までは配当利回りを基本としたインカムゲイン投資をメインに説明してきましたが、
以下で紹介する投資先は値上がり益(キャピタルゲイン)を狙うことが出来る投資先です。
まず最初に紹介するのは米国の株式市場全体に投資を行うバンガード社のETFであるVTIです。
斬新さはありませんが、王道且つ正道の金融商品ですね。
もう一度先ほどの米国の実質的な資産の成長率を確認しましょう。
実質的なというのは実際得られた利回りがらインフレ率を差し引いたリターンです。
1802年に1ドルをS&P500指数に投資を行った場合2016年時点ではインフレを差し引いて、
$1,136,042つまり約1.2億円になっています。
インフレを差し引いてというのは、1802年時点の1ドルと2016年時点の1ドルが同じだとするとということです。
インフレを差し引かずに考えた名目リターンは年率8%、
1802年時点の1ドルが2016年時点で約20,000,000ドルつまり20億円にまで増大しています。
たとえ過去何度も金融危機が起こったとしても10年単位でみると確実に右肩上がりに上昇しているので、
この流れが今後も続く確度が高いと考えて米国株の成長に賭けましょうというETFがVTIです。
☞ 【VTI】米国株式全体に投資を行うバンガードETFを分析!VTとどちらが魅力的?
☞ 【VT(バンガード・トータル・ワールド・ストックETF)】VTIとの比較を通じて評判のバンガードETFを紐解く
一点気を付けなければいけない点は、
米国の株式市場は上昇を下落を繰り返しながら上昇をしていくのですが、
前回下落した金融危機(= リーマンショック)以降、景気拡大株価上昇は10年目に突入しています。
景気循環的にもPER・PBRからみても一旦の調整が起こってもおかしくないことから、
次回の株価調整時に大きく仕込むのが最も効果的でしょう。
アクティブ型投資信託(期待利回り▲5%):☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
日本の投資信託は殆どがアクティブ型の投資信託、
つまり市場平均に対してプラスのリターン獲得を目指す投資信託です。
アクティブ型の投資信託は手数料は高いのですが、
以下は金融庁がまとめた資料なのですが、残念ながら市場平均を下回る成績しか出せていません。
特に手数料が高くなればなるほど、平均リターンが低くなるという悲惨な結果を招いており、
投資をすればする程、資産を減らしてしまう可能性があり一番おすすめ出来ない投資先です。
投資信託に投資を行うのであれば、市場平均に連動するようなパッシブ型の投資信託や、先程のVTIのようなETFに投資を行ったほうが良いでしょう。
☞ 投資信託はアクティブ型とパッシブ型(=インデックス型)のどちらが儲けることができるのか??
☞ 貯金の代わりに投資信託で資産運用をするという選択は正しいのか
ヘッジファンド(期待利回り7%~8%):★★★★★★★★☆☆
先程のVTIは株式市場へ投資を行う伝統的な投資先でしたが、
ここから紹介するものは全て伝統的な投資先と異なる動きをしてポートフォリオの安定性を高め、
高いリターンを獲得することが狙えるオルタナティブ投資です。
☞ オルタナティブ投資の種類とメリット・デメリットを徹底解説
オルタナティブ投資で代表的なものとしてヘッジファンド・PEファンド・不動産・商品がありますが、
最初の方で紹介したREITは不動産にMLPは商品に分類されます。
👉 ファンドの種類毎のおすすめランキングを紹介してみる、投資信託・ヘッジファンド・PEファンド
この項ではPEファンドと並んで、ファンド形態のオルタナティブ投資であるヘッジファンドについて紹介します。
ヘッジファンドは証券会社で購入できる公募ファンドの投資信託と違い、
直接購入することしかできない私募ファンドです。
公募ファンドの投資信託が金融庁に大きく規制される為、投資手法が限定されるのに対して、
ヘッジファンドは自由に取引を行い『どのような環境』でも利益獲得を狙う、
絶対収益型のファンドです。
また手数料も預入資産に対して手数料を徴取する投資信託と異なり、
投資で成果つまりリターンがでた時に一部を手数料として頂くという成功報酬型の
手数料形態を敷いています。
注目されているのはリーマンショックのような金融危機発生時に株式市場の半分以下に、
下落を抑えたことで、安定的な資産運用を行う為に欠かせない要素として、
安定した成績を残すことが至上命題の機関投資家に選好されています。
防御力の高さがヘッジファンドの最大の強みということが出来るでしょう。
更にヘッジファンドについては詳しい内容とおすすめ出来る国内投資先を纏めていますので、
参考にしてみて下さい!
☞日本のヘッジファンドのおすすめ投資先ランキング!投資信託との比較と絶対収益型Hedge Fundを選ぶメリットも解説。
ヘッジファンドは私募ファンドであり最低出資額が1000万円以上と高いのが欠点ですが、
安定性を高めて高いリターンを期待できる投資先となります。
海外不動産(期待利回り20%):★★★★★★★★☆☆
不動産もオルタナティブ投資の一つなのですが、
日本や米国のリートは先いほど申し上げた通り株式市場との相関性が高いので、
オルタナティブ投資の性格は低いです。
しかし、新興国の不動産は現地の国民の実需需要によって上昇していくので、
株式市場の市況に関係なく上昇していく傾向にあります。
実際日本が新興国であった1950年代からの前年度比の上昇は特にオイルショックまで、
前年度比で10%以上の上昇を維持しています。
本当に魅力的な新興国の不動産に投資を行うことが出来れば、
毎年株式市場の浮き沈みなど関係なく上昇することが出来るのです。
上記の日本の例からみても分かる通り日本の不動産は株式市場が本格上昇する1970年代以降より先駆けて、
1950年代後半から上昇をし始めました。
当時の日本と同じ経済水準で、なおかつ人口増加が見込まれる新興国の不動産に投資を行うことが出来れば、
目をつぶって不動産を買っても価格上昇は必至となります。
つい最近まで流行したフィリピン不動産などはもう時既に遅く、
2019年以降期待できる新興国はバングラデシュとなります。
☞ フィリピン不動産投資はまだ間に合うのか?オルタナティブ投資としての不動産
通常の新興国不動産はコンドミニアム一室丸々購入する必要があるので、
購入価格は500万以上となることが多いですが、私が投資をしている会社を通じて購入すれば、
100万円から手軽に投資することが出来ます。
またバングラデシュ不動産は土地そのものに投資ができる珍しい新興国であり、
コンドミニアムが駐在員需要しか取れないのに対して、現地国民の需要をそのまま取り込むことが出来ます。
株式投資型クラウドファンディング(期待利回り??):★★★☆☆☆☆☆☆☆
最近クラウドファンディングという言葉を良く聞かれると思いますが、
クラウドファンディングは投資家がインターネットを通じて出資・融資することにより、
対価として分配金・利息・株式を貰う制度です。
株式投資型クラウドファンディングは未上場ベンチャー企業に出資を行うことで、
対価として未上場企業の株式を受け取ることができる制度です。
個人が少額からできるベンチャーキャピタルといえば分かり易いですね。
メリットとしては個人では基本的に購入できない未公開株を購入できる点と、
株式購入時、売却時にエンジェル税制が適用できることがあります。
☞ 株式投資型クラウドファンディングのメリット・デメリット-PEファンドと比較-
デメリットとしては購入した企業は上場しておらず株式市場で取引できない為、
基本的に購入した企業が買収されるか、上場しない限りは株式を売却できないという点と、
ベンチャー企業なので倒産・破綻した場合は株式が文字通り紙屑になるリスクがあるという点です。
日本では2017年4月から株式投資型クラウドファンディングを取り扱う、
FUNDINNOがオープンしましたが、まだ上場実績もなく実績はありませんんが。
ベンチャーは基本的には上場できない企業ばかりなので、
株式投資型クラウドファンディングは投資よりも投機的な側面が強い金融商品です。
安定的に資産を増やしたい方には、あまりおすすめ出来ません。
PEファンド(期待利回り15%~20%):★★★★★★★★★★
最後に今現在最もできる金融商品としてPEファンドを紹介させて頂きます。
PEファンドは上場していない未公開株企業に投資する手法です。
先程紹介した株式投資型クラウドファンディングも上場前の未公開企業に投資しているので、
厳密にいうと個人で行うことが出来るPEファンドということが出来ます。
しかしPEファンドにも色々な種類があり、本家本元のPEファンドは成熟した企業を『買収』し、
経営陣を送り込んだ上で企業価値を向上させたうえで高値で売却するバイアウトという手法です。
ベンチャーキャピタルが買収ではなく出資に留まり経営には入り込まない点が、
バイアウトファンドとの差異です。
☞ PEファンドとは?投資手法・成績・種類等知られざる実態を解剖する
☞ バイアウトファンドとベンチャーキャピタルの違いをわかりやすく解説ーPEファンドの種類毎比較-
バイアウト型のPEファンドは上場されていない株式を取引きするので、
株式市場の好況・不況の影響を受けにくく、市場の影響を受けにくいオルタナティブ投資として注目されています。
またリターンもVTI等の市場平均指数や先程紹介したヘッジファンドよりも高いパフォーマンスを挙げています。
市場平均の影響を受けにくく高いリターンを叩きだしていることもあり、
20年以上にわたり平均年率10%以上のリターンを叩きだしている米国の大学基金も、
最大ポーションをPEファンドで運用を行っております。
PEファンドは非常に高いリターンを叩きだすので注目の投資先なので、
欧米の機関投資家や超富裕層には注目されているのですが、
残念ながら個人投資家に対しては今まで門戸が開かれていませんでした。
儲かる投資先は金持ちにだけ紹介されていたのです。
実際今でも米国のPEファンドでは機関投資家と並ではないレベルの富裕層の出資しか受け入れていません。
☞ 世界有数のPEファンド・ブラックストーン(Black Stone)を紐解く
☞ 投資ファンド・KKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)をわかりやすく紐解く、巨大PEファンドの実態とは
☞ 著名PEファンド・カーライルグループ(The Carlyle Group)の実態に迫る
しかし、日本では個人投資家からも出資を受け入れるPEファンドが運用を開始しており、
元々ヘッジファンドとして実績を出していたファンドということもあり期待を集めています。
ヘッジファンドと同じく最低出資額は1000万円と投資信託に比べると閾値が高いですが大切なのはリターンです。
安全・安定で高いリターンを狙う投資先として最もおすすめできる投資先がPEファンドです。
以下私が投資しているPEファンドであるTORTAISE PARTNERSについて纏めていますので、
参考にしてみて下さい!
☞ 【トータスパートナーズ】日本発新進気鋭の評判のPEファンド「TORTOISE PARTNERS」の実態に迫る!
1000万円で投資できる金融商品のまとめ
1000万円を投資する場合に検討できる金融商品について、
リスク・リターン別にまとめた最初に紹介した図を再掲します。
危機的な事象に備えるのであれば米債券や金を一部、
高いリターンを期待するのであれば、ヘッジファンドやPEファンドといった
オルタナティブ投資の代表格ともいえる投資先が安全性を保ちつつ資産を増やす、
最良の金融商品となるでしょう。
👉 【斬新】2020年から1000万円を資産運用する際に検討できる金融商品10選!~おすすめ度毎に投資先を比較~