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著名PEファンドが手掛けるメザニン債・不良債権・仕組み債・MLP・CLOファンドの概要をわかりやすく解説!

今まで世界の有名な三大PEファンドを分析してきました。

 

☞ 世界有数のPEファンド・ブラックストーン(Black Stone)を紐解く
☞ 投資ファンド・KKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)をわかりやすく紐解く~巨大PEファンドの実態~
☞ 著名PEファンド・カーライルグループ(The Carlyle Group)の実態に迫る

 

三社とも1970年代から1980年代にPEファンドを起源としてファンドを立ち上げましたが、

現在はオルタナティブ投資全般に手を伸ばしていることをお伝えしました。

 

ポートフォリオで主要なポーションを占めるものに、本家のPEファンドがあるのですが、

その他にも不動産投資とメザニン債・不良債権ファンドを中心とした債権ファンドの三つ巴の状態となっています。

 

不動産投資についてはオルタナティブ投資として期待できる海外不動産に譲るとして、

今回はメザニン債・不良債権ファンドを含んだCredit(債権)ファンドとは何なのか?

という点についてお伝えしていきたいと思います。

 

PEファンドの運用ファンドに占める非常に高いCredit(債権)ファンド

それでは三大PEファンドにおけるメザニン債・不良債権投資ファンドの割合を見ていきましょう。

カーライルグループの債権ファンドの割合

以下はカーライルグループの割合はGlobal Creditの$36 Billionつまり4兆円分の運用を行っています。

全体の比率では17%という高い割合になります。

カーライルグループの債権ファンドの割合

 

 

ここで紹介されている

Structured Credit (仕組み債)
Direct Lending (ダイレクトレンディング)
Distressed Credit (不良債権)

については後程説明しています。

 

KKRグループの債権ファンドの割合

KKRは運用資産が10%ですが、そのうちAlternative CreditとCLOsの合計14%を占めます。

 

KKRグループの債権ファンドの割合

 

Alternative Creditについては何を示しているのかは明瞭ではないので、CLOについて後程説明致します。

 

ブラックストーンの債権ファンドの割合

ブラックストーンは$439 Billion(約48兆円)の内、$123Billion(約13兆円)と約28%という最大ポーションを占めています。

 

ブラックストーンの債権ファンドの割合

 

新しくでてきたメザニン、MLPについては後程説明いたします。

 

Credit(債権) ファンドの種類を解説ー不良債権?メザニン債?仕組み債?CLO?MLP?ー

Credit (債権)ファンドといっても様々なファンドの形態があるのですが、

本日は主だったメザニン債・不良債権・仕組み債・MLP・CLOファンドについて概要を説明していきたいと思います。

メザニン債ファンドとは

まずメザニン債ファンドについてですが、メザニンという言葉自体は中二階という意味です。

じゃあ、一階と二階は何なのか?というと

一階はシニア債、二階はジュニア債(劣後債)といわれるもので構成されています。

 

メザニン債は名前的に青年債ってことですかね。

通常企業が倒産した時は債券⇒株の純で返済が行われるのですが、

債券の中でもシニア債(通常の債券)⇒メザニン債⇒ジュニア債の順番に返済が為されます。

 

その代わり、得られる金利は

ジュニア債⇒メザニン債⇒シニア債の順番に高く設定されています。

メザニン債は機関投資家の間では高利回りとなっている為、非常に人気が高いのですが、

リーマンショックのような危機発生時には返済がなされないケースが頻発したこともあります。

 

不良債権(Distressed)ファンドとは

東芝やシャープのような経営破綻・不振(英語でDistressed)企業の債権を返済不可能性が高いわけですから、

安値で買い取って経営再建が果たされた暁には価格が戻ったところで売却して利益を得る手法です。

経営破綻企業の株に投資を行うハゲタカファンドの債権版ということですね。

 

仕組み債ファンドとは

仕組み債ファンドというのは名前の通り、『仕組み』が適用されたファンドということになります。

オプションやスワップといった金融派生商品の仕組みを利用して、

通常の債券とはことなり、『ある条件』がそろえば受取金利が変動したり元本の一部又は全部が消滅したり、

場合によっては株式に転換する仕組みを構築した債券ということです。

 

投資家や発行者のそれぞれのニーズに応じて仕組みを組み立てられ汎用性が高く注目されている債権です。

近年でいうとCoCo(Contingent Convertible)債が非常に有名ですね。

名前のContingent(偶発的に) Convertible (転換しうる) 債券、日本語で『偶発転換社債』という名前の通り、

株式にも債券にも変わり得る債券のことを言います。

 

発行体である金融機関の自己資本比率が閾値を下回ると元本の一部または全部が毀損したり、

株式に転換されるトリガー条項を有しています。

 

CLO(Collateralized Loan Obligation)ファンドとは

金融機関が企業に貸し付けている債権を担保として投資対象とするファンドのことです。

CLOはABS(Asset Backed Security)つまり資産を担保にして証券を発行する証券の一つで、

CLOの他に債権(ローン)と債券(ボンド)を裏付けとするものをCDO(Collateralized Debt Obligation 債務担保証券)

債券(ボンド)のみを裏付けとする場合はCBO(Collateralized Bond Obligation)と呼びます。

 

MLP(Master Limited Partnership)ファンドとは

米国で行われている共同投資事業形態のことで、主に石油・天然ガスの精製、備蓄、輸送施設など、

エネルギーやインフラに関わる事業への投資です。

そもそもMLP(Master Limited Patrners)って?-REITと似た高利回りが期待できる投資先-

 

 

施設利用料などを長期契約して安定収入を得ている為、景気の影響を受けにくいオルタナティブ投資としての役割を果たしています。

ハイイールド債よりも高い配当金を見込むことが出来ます。約5%の配当利回りで更に配当が成長するのは魅力的ですよね。

高い配当利回りと配当成長率

 

 

MLPについて更に詳しく知りたい方はこちら

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著名PEファンドが手掛ける債権ファンドまとめ

債権ファンドは著名PEファンドの中でも、主要な位置を占めてきており15%~25%のポーションを占めています。

一言に債権ファンドといっても様々な種類があり、一部個人投資家にも投資ができる環境が整っているものもあるが、

基本的には機関投資家が主な投資家となっている。

 

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