皆さんが普段証券会社を通じて売買している株は上場している銘柄ですが、
株式には上場株と未公開株の二種類が存在しています。
未公開株は株式市場に上場されておらず、個人の投資家が手軽に投資が出来ません。
本日は未公開株にはどのような特徴があるのか、
未公開株を売買するにはどうしたらいいのかということについてお伝えしていきたいと思います。
未公開株とは?上場しないことによるメリットとデメリット
まず未公開株は何故未公開のまま上場しないのかということを通して、
未公開株の理解を深めていきたいと思います。
上場するメリット
上場することによって株式市場から簡単に資金を調達することができます。
更に他の資金力のある企業からの買収の対象となる危険性もなくなります。
また社会的な信用もあがり知名度も向上して営業成績にも影響が出ることもあります。
また上場の基準を満たす為に社内の経営体制の見直しを行い、
コーポレートガバナンスが効くようになるので不正等が起こるリスクが減少します。
上場するデメリット
上場するデメリットはまず上場を維持する為には、
年間上場料や監査報酬、株主名簿管理料などの諸経費がかかり、
比較的小さい会社でも上場しれいれば1億円程度の費用が発生します。
また幅広い株主を受け入れることにより経営の自由度が低くなるというデメリットも存在します。
未公開株の種類-IPOを目指すベンチャーだけではない-
皆さん未公開株というとイメージとしては成長著しいベンチャー企業というイメージが強いと思いますが、
他にも未公開株は存在しているので紹介していきたいと思います。
未公開株の種類①:ベンチャー企業-IPOを目指す-
まず一番わかりやすい未公開株としてベンチャー企業があります。
ベンチャー企業の創業者はIPOで上場することによって、
元々保有している株が何十倍にもなり大きな利益を獲得することが出来ます。
また今まではベンチャーキャピタルに資金調達を頼っていましたが、
上場することによって株式市場から幅広く資金を調達することが出来るようになります。
未公開株の種類②:成熟企業
実は既に大企業となっている企業においても未公開株は数多く存在しています。
私も田舎出身なのですが、田舎にある企業の殆どは既に収益基盤が確立しているのに、
上場していないに未公開企業です。
あた中小企業だけでなく、大企業の中にも未公開株は存在しております。
実はサントリーや竹中工務店といった大企業も未公開株であり、
ついこの間まではリクルートですら未公開株だったのです。
資金調達をする必要がない企業や、既に知名度も高く宣伝する必要ない企業は、
敢えて高い費用や株主への説明等により経営が阻害されるリスクを負ってまで、
上場する必要はないと判断する企業も数多く存在するのです。
未公開株を直接購入するのは非常に難しい
まず未公開株を購入するには既に保有されている主に創業者を始めたとした株主と、
交渉を行い株式を直接交渉を行わないといけません。
つまり、元々購入したい未公開株企業とのパイプがないと、
購入に至る為のスタート時点にも立つことが出来ないのです。
また主にベンチャー企業においては創業者は上場時の莫大な利益をモチベーションにして、
日々邁進している可能性が高く、株式を渡すということは例えば新規事業を進めていく上で、
必要不可欠な人材であるといったような購入する企業に人的にも活躍できる人でないと、
なかなか株式を譲ってくれることはありません。
将来上場が見込めるような有望なベンチャー企業に就職してストックオプションを貰うというのが、
現実的な選択肢になるでしょう。
コラム:未公開株の購入手続きは非常に難しい
仮に購入できる未公開株を見つけたとしても、実際に購入に至るまでは以下のような手続きが必要になります。
なかなか未公開株の経営者としても株式を売却するのが億劫になりますし、
仮に売却するにしても上場していない為、市場価格が存在しないので価格交渉も難航することでしょう。
未公開株(ベンチャー企業)に投資を行うベンチャーキャピタルという選択肢
未公開株に直接投資が出来ないのであれば、未公開株に投資を行っている企業に投資を行うことで、
間接的に未公開株に投資を行うという手法が考えられます。
日本でいうと最も有名なのはジャフコという企業があります。
ジャフコは日本で未上場のベンチャー企業に投資を行っている先駆者的企業であり、
上場されているので手軽に投資を行うことが出来ます。
以下はジャフコの2010年以降のデータです。
👉 ジャフコ(JAFCO)を評価-評判の日本有数のベンチャーキャピタルの株価は割安?-
株価と一株当たりEPSは上昇基調にはありますが、2015年のEPSが625円もあったにも関わらず、
2016年のEPSは384円、2017年のEPSは250円と大きく下落しており全く安定しておりません。
株価もアベノミクスの最中にあっても安定せず激しい上下動を繰り返しています。
ベンチャー投資は当たってIPOとなれば大きな利益を獲得することが出来るのですが、
場合によっては倒産して投資した金額が全損となる可能性も高く利益が安定しない傾向にあるのです。
またポートフォリオを組んでいるため、IPOが成功したとしても全体の投資額としてみると、
利益は薄まってしまうので正直ベンチャー投資の旨味も少ないといえるでしょう。
未公開株(成熟株)に投資を行うPEファンドに投資するという選択肢
次に未公開株の中でも成熟株を買収して企業価値を上昇させた後に売却する、
PEファンドへの投資という選択肢が考えられます。
成熟した未公開株を買収して価値を挙げて高値で売却する一連の流れを指してバイアウトと呼ばれています。
☞ バイアウトファンドとベンチャーキャピタルの違いをわかりやすく解説
PEファンドの殆どはバイアウト型のファンドなのですが、株式市場やヘッジファンドに比べて、
高い利益が得られる投資形態として日銀も注目している投資ファンドの形態となっています。
PEファンドに対しては20年間年率10%以上の高いリターンを叩きだしている、
米国のハーバード大学やイェール大学の基金も最大ポーションとしてポートフォリオに組み入れています。
☞ 資産分散を行い市場平均をオーバーパフォームする投資ポートフォリオを組成する為の考え方
海外特に米国には両大学も投資を行っている一流の著名ファンドである、
ブラックストーン・KKR・カーライルが存在しておりPEファンドの成績は20%程度となっています。
☞ 世界有数のPEファンド・ブラックストーン(Black Stone)を紐解く
☞ 著名PEファンド・カーライルグループ(The Carlyle Group)の実態に迫る
☞ 投資ファンド・KKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)をわかりやすく紐解く、巨大PEファンドの実態とは
上記で紹介した米国の著名PEファンドに関しては個人では投資を行うことは出来ず、
受け入れている投資家は年金基金や大学基金、保険などの機関投資家や銀行などの金融機関、
財閥一家などの超富裕層に限定されており日本の個人投資家には到底手が届きません。
しかし、私が投資を行っているTortoise Partnersはヘッジファンドを起源として、
PEファンド型の未公開成熟企業への運用を開始しており、市場の好況不況に影響されず、
高いリターンを見込むことが出来ます。
以下にて詳細にまとめていますので、参考にしてみて下さい。
未公開株と未公開株に投資する方法のまとめ
未公開株は上場を目指すベンチャー企業と既に利益が確立されている成熟企業がある。
上場しないことにより資金調達は難しくなるが、知名度は近年はITの発達で必ずしも上場しなくても、
知名度を上昇させることは容易になり、上場の必然性は低下している。
また経営権を安定させ上場継続に必要な費用を削減することができるというメリットがあります。
未公開株に投資するにはベンチャーに対してはベンチャーキャピタルという選択肢があるが、
利益が安定せず分散投資の影響で大きな利益を獲得できない為魅力は少なくなっています。
一方、成熟企業を買収して企業価値を高めて売却するバイアウト型のPEファンドへの投資は、
日銀や欧米の機関投資家からも注目される投資方法で株式市場の影響を受けずに、
安定して20%程度の高いリターンを狙うことが出来ます。