今までMLPについて実態と今後の見通し、また代表的なMLPのインデックスである、
インデックスファンドMLPについて特集してきました。
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☞ S&P MLP指数へ連動を目指すMLP投資信託・インデックスファンドMLPを徹底分析
本日は同じくMLP投資信託の中でも、アクティブ型の、
米国エネルギーMLPオープン(愛称:エネルギー・ラッシュ)について
分析していきたいと思います。
米国エネルギーMLPオープン(愛称:エネルギー・ラッシュ)はどんな投資信託?
ではまず米国エネルギーMLPオープンとはどのようなMLPの投資信託なのかを見ていきます。
そもそもMLP(Master Limited Patrners)って?-REITと似た高利回りが期待できる投資先-
MLPは米国のエネルギー・ガスのインフラ事業から得られる収益が90%以上をしめて。
得られた利益の殆ど全てを分配することによって、免税となる共同事業体です。
REIT(リート)のエネルギー事業版として米国では近年注目を集めている投資先です。
以下はREIT(リート)とMLPの比較表です。
MLPの特徴としては高配当利回りで有名なリートに対しても高い利回りで、
現在は平均的な配当利回りが8%程度とリートやハイイールド債よりも高い水準となっています。
MLPにもS&P MLP指数のようなインデックスに連動するインデックスファンドMLPのような、
パッシブ型の投資信託と、インデックスに対してプラスのリターンを目指す、
アクティブ型の投資信託があります。
今回紹介する米国エネルギーMLPオープン(愛称:エネルギー・ラッシュ)は、
アクティブ型の投資信託です。
米国エネルギーMLPオープンはどんなMLP投資信託?-運用形態・業種比率・構成上位銘柄-
いよいよ本題の米国エネルギーMLPオープンについてお伝えしていきたいと思います。
米国エネルギーMLPオープンは殆どをUSエネルギーMLPファンドに、
余った資金をマネー・プール・マザーファンドに預け入れる、
ファンド・オブ・ファンズ形式で運用されています。
USエネルギーMLPファンドはニューバーガー・バーマン・アドバイザーズ・エルエルシーが、
運用を担うMLPファンドです。
日本の投資信託にありがちな形態ですが、海外の有名なファンドに投資をしているだけという、
単純な形式ですね。
種別の構成割合は以下のように石油ガスの貯蔵・輸送が約90%となっています。
貯蔵やガスは長期契約型が多くなっている為、基本的には業績が安定する傾向にあります。
また構成銘柄別でいうと全構成銘柄は22銘柄で上位は以下のようになっています。
上位銘柄は原油というより天然ガス関連のインフラ投資を行っている銘柄が多くなっていますね。
エンタープライズ・プロダクツ・パートナーズはインデックスファンドMLPのTop構成銘柄でもありました。
その他にもEQTミッドストリーム、エナジートラスファー、ウェスタンガスが、
インデックスファンドMLPの上位銘柄と被っていますね。
そもそものMLPの上場銘柄が少ないので大型銘柄では被ってしまうのが多いのです。
【参照:インデックスファンドMLPの上位構成銘柄】
組入首位銘柄:ONEOKパートナーズ
インデックスファンドMLPつまりS&P MLPの上位銘柄には入っておらず、
米国エネルギーMLPオープンの最上位構成銘柄であるONEOKパートナーズですが、
事業概要は以下のように多岐にわたります。
ONEOKパートナーズ、LPは、米国で天然ガスの収集、処理、保管、輸送に従事しています。また、当社は、ミッドコンティ、ペルム紀とロッキーマウンテン地域でNGLの供給を接続し、天然ガス液(NGL)のシステムを所有しています。当社のセグメントは、天然ガスの収集と処理、天然ガス液体、および天然ガスパイプラインです。天然ガスの収集と処理のセグメントは、ノースダコタ州、モンタナ州、ワイオミング州、カンザス州、オクラホマで、契約生産者に非一任サービスを提供しています。天然ガス液体セグメントが所有し、主にオクラホマ州、カンザス州、テキサス州、ニューメキシコ州及び当社が非一任サービスを提供ロッキー山脈地域では、分画治療とNGLsと店舗NGL製品を販売してギャザー施設を運営しています。天然ガスパイプラインのセグメントは、その資産と北部国境のパイプラインで、その所有権を介してエンドユーザーへの輸送と保管サービスを提供しています。
<引用:ONEOKパートナーズ>
上記から変わる通りエネルギー関連のインフラ事業に従事しているので、
以下のように利益はエネルギー価格の下落に関わらず、増加基調になっています。
前回インデックスファンドMLPの構成銘柄として紹介したエンタープライズ・プロダクツ・パートナーズ
と同様の傾向がありますね。
米国エネルギーMLPオープン(愛称:エネルギー・ラッシュ)の成績-運用リターン・配当金-
米国エネルギーMLPオープンの成績について様々な角度から見ていきたいと思います。
米国エネルギーMLPオープンの単体成績
以下米国エネルギーMLPオープンのチャートですが以下のように2014年後半からの
原油価格が5分の1に下落したことに伴い、価格が2分の1に下落しましたが、
持ち直してきています。
大きく下落しておりダメであると一刀両断することもできますが、
インフラを長期契約することにより安定収益をえているので、
資源価格が5分の1に下落するなか、2分の1に留まったと見ることも出来ます。
赤は分配金を再投資したベースでの基準価格で、黒は分配金拠出後の基準価格です。
米国エネルギーMLPオープンとインデックスファンドMLPとの比較
MLP市場全体が2014年後半から2015年にかけて軟調に推移していたので、
米国エネルギーMLPオープンの成績単体だけをみて論ずることは出来ません。
以下、MLPの代表的な指数であるS&P MLP指数への連動を目指すインデックスファンドMLPと
の成績比較をご覧ください。
赤が米国エネルギーMLPオープンなのですが、青のインデックスファンドMLPに比して、
一早く立ち直り、高い成績を出しておりアクティブファンドとしての、
面目を保っていますね。
米国エネルギーMLPオープンの配当金利回り
MLPは高配当が売りの投資商品ですが、直近の分配金利回りは最新月報によると、
年率6.7%とMLPの中では可もなく不可もなくという水準ですが、
配当金拠出した後の基準価格が減少していることから、
稼いだ利益以上の分を元本から取り崩している為、
分配金が高いことが、そのままポジティブとはいえない状況となっています。
米国エネルギーMLPオープン(愛称:エネルギー・ラッシュ)のまとめ
米国エネルギーMLPオープンはMLPに投資を行うアクティブ型投資信託であり、
成績としてはパッシブ型のインデックスファンドMLPを上回る成績を出している
しかしながらMLP事態の環境が悪いこともあり、株式に比べて低いリターンに留まっており、
直近も市場環境が良好であったにもお関わらず、軟調な成績となっている。
MLPは市場環境に影響を受けにくいことが一つの売りになっていますが、
市場環境に影響をうけず高いリターンを得るのであれば、
PEファンドが最良の選択肢であるといえます。
以下におすすめのPEファンドを含めてランキング形式に纏めていますので、
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