近年インターネットの浸透に伴ってクラウドファンディングが流行しています。
インターネットを介して個人投資家が寄付・購入・投資を行い、少額ずつの資金を調達する仕組みです。
クラウドファンディングには主に三種類あり、
・融資型クラウドファンディング ☞ 金利受け取り
・ファンド投資型クラウドファンディング ☞ 分配金受取
・株式投資型クラウドファンディング ☞ 株式受取
の三種類があります。
私は未公開株に投資を行うPEファンドに投資を行っているということもあり、
報酬として未公開株式を受け取ることが出来る『株式投資型クラウドファンディング』について、
メリット・デメリットとPEファンドの比較を、お伝えしていきたいと思います。
株式投資型クラウドファンディングとは?
そもそも株式投資型クラウドファンディングとは何なのかという点を詳しく見ていきましょう。
株式型クラウドファンディングは金融商品取引業の円滑で構成な取引を促し、
金融商品取引業の健全な発展を目的とする日本証券業協会では以下のように規定されています。
株式投資型クラウドファンディングとは、新規・成長企業へのリスクマネーの円滑な供給に資することを目的として、金融商品取引法等の改正及び本協会の自主規制規則の整備により、2015年(平成27年)5月に創設された非上場株式の発行を通じた資金調達を行うための制度です。
<引用:日本証券業協会>
2015年に金融商品取引法の改正によって新しくできたクラウドファンディングの一種で、
いわゆる上場前のベンチャー企業の資金調達を目的としており、
個人投資家が1社につき50万円未満という少額ずつ出資する代わりに未公開株式を対価として付与する仕組みです。
株式投資型クラウドファンディングのメリット
それでは株式投資型クラウドファンディングのメリットについてまとめていきたいと思います。
株式投資型クラウドファンディングのメリット①:未公開株への投資ができる
まずなんといっても未公開株への投資を行う手段は限られているので、
未公開株に投資できるという事自体が大きな魅力になっています。
現状日本では私が投資を行っているPEファンドは別として、
未公開株に投資する術は上場しているJAFCOのようなベンチャーキャピタルへ投資をするという
間接的な手法しからありませんでしたからね。
☞ 未公開株とは?売買する方法ってあるの?
☞ ベンチャーキャピタルによる投資・資金調達とは?仕組みをわかりやすく解説してみる
資金調達が難しい有望なベンチャー企業を応援することができるので、
社会的にも役にたっているという実感を得ることが出来ます。
株式投資型クラウドファンディングのメリット②:エンジェル税制の適用
株式投資型クラウドファンディングはベンチャー企業への投資となりますので、
エンジェル税制の優遇を受けることが出来ます。
エンジェル税制は投資を行う時と株式売却する時に優遇される税制です。
【投資時】
株式投資時には以下のA又はBの優遇を受けることが出来ます。
A. 投資額 - 2000円 を所得税から控除することが出来る。
但し、上限は総所得の40%と1000万円の低い方。
つまり総所得が1000万円で投資額が500万円でしたら、499万8000円が控除できるわけではなく、
総所得1000万円の40%である400万円を控除することが出来るということです。
B. 投資額全額を当該年度の株式譲渡益から控除することができる
【売却時・損失確定時】
売却時に損失が発生したり、そもそも倒産して全額損失となった時は、
当該年度の株式譲渡益と相殺できるだけでなく、相殺しきれなかった損失については、
翌年以降3年間徐々に相殺する権利を得ることが出来ます。
株式投資型クラウドファンディングのデメリット
それでは株式投資型クラウドファンディングにはどのようなデメリットがあるのでしょうか。
損失(全損含む)となる可能性が高い
投資対象がベンチャー企業である為、プロジェクトが頓挫して資金が全額損失となる可能性が高いです。
当然上場した場合には大きな利益を獲得することが出来ますが、
上場会社は全ての会社の0.2%しかなく上場できるベンチャーキャピタルは、
ごくごく一部であることを考えるとリスクの高い投資先であるということが出来るでしょう。
流動性が著しく低い
投資の対価として得られるのがベンチャー企業の未公開株なので、
投資した企業が上場するか、買収されない限りは換金を行うことが出来ません。
大化けするか、紙屑になるまでじっくりと時が経過するのを待つしかないので、
資金を拘束されてしまうというデメリットがあります。
投資上限額が50万円と低い
ベンチャー企業への投資ということでリスクが非常に高いことから、
大きな資金を失う投資家がでることを抑える為に一社あたり投資できる金額は50万円までと決められており、
調達側の企業も一年間に調達できる金額は最大1億円となっており、
大規模な事業を運営する為には十分な資金を調達できないというデメリットを抱えています。
コラム:日本初の株式投資型クラウドファンディングを取り扱う『FUNDINNO』
2017年4月に日本初の株式投資型クラウドファンディングサイトにFUNDINNOがあります。
2018年11月19日現在で11億円以上の資金調達を成功しており、ジャンルはFintech、ファッション、
建設、IT業界(含むAI)と多岐にわたっています。
現在IPOの実績はまだありませんが、今後IPOする銘柄も出てくることが期待されますね。
株式投資型クラウドファンディングとPEファンドの比較とまとめ
株式投資型クラウドファンディングはベンチャー企業に投資するベンチャーキャピタルと酷似したものですが、
PEファンドは殆どがバイアウト型と言われるもので、既に収益が確立されている未公開株へ投資を行います。
更に株式投資型クラウドファンディングは経営に口を出すことは出来ませんが、
PEファンドは買収して経営権を取得して企業価値を向上させた後、高値で売却して利益を出します。
☞ バイアウトファンドとベンチャーキャピタルの違いをわかりやすく解説ーPEファンドの種類毎比較-
バイアウト型のPEファンドの方が既に利益が確立されている企業に投資する為、
安定的な利益を狙うことが出来ます。
また利益も非常に高く株式市場の平均やヘッジファンドよりも高いリターンを叩きだしており、
JAFCOのようなベンチャーキャピタルのような上場企業への投資よりも高いリターンを狙うことが出来ます。
米国の有名な大学基金の高い実績や、PEファンドの実績からもPEファンドの実績の高さは明らかになっています。
☞ 世界有数のPEファンド・ブラックストーン(Black Stone)を紐解く
☞ 投資ファンド・KKR(コールバーグ・クラビス・ロバーツ)をわかりやすく紐解く、巨大PEファンドの実態とは
米国のPEファンドは個人投資家からの資金を受け入れていないため投資が出来ませんが、
日本発のPEファンドに投資をすることは可能ですので、私が投資を行っているPEファンドも参考にしてみて下さい!